会社設立の準備で知っておきたい8つの流れアレシア税理士法人 公式サイト

会社設立の準備で知っておきたい8つの流れ

会社設立を考えたときに、行っておきたい準備・知っておきたい知識を8つのポイントでご紹介いたします。

【目次】

1. 会社名を決める
2. 本店所在地を決める
3. 事業目的を決める
4. 資本金の額を決める
5. 役員を決める
6. 事業年度を決める
7. 印鑑を作る
8. 設立費用を決める

1. 会社名をの決定

会社名を考えます

会社名は会社の顔を決めるので、これから会社を運営していく中で非常に重要な部分となるので慎重に決める必要があります。業種によっては覚えやすいインパクトのある会社名でも良いかもしれません。途中で会社名の変更も出来ますがコストも掛かるので流行などに左右されない永く使用出来る「覚えやすい」「信用されやすい」名前を選びましょう。

会社名(商号)を決めるにはルールがあります

会社名を決めるにはいくつかのルールがあります。

① 会社名のどこかに「株式会社」の文字は必ず入れます。

「アレシア株式会社」や「株式会社アレシア」と入れます。

② 日本語以外にも数字やローマ字、記号も使えます。

記号は「&」「‘」「,」「‐」「.」「・」が使用できます。なお、記号は会社名の先頭や末尾に使用することは出来ないので、例えば「アレ・シア株式会社」が可能となります。

③ 会社の1部門を表す文字を使用することはできません。

例えば、「アレシア株式会社新宿営業部」などは使用することができません。

④ 有名企業の名称は使用することができません。

例えば、ソニー株式会社とか社会的に知られている会社名は使用することができません。

⑤ 類似商号を調べて下さい。

会社法が施工されるまでは会社名を決めるに際しては、類似商号が同一の市区町村に同一の事業目的の会社に使用されていないかどうか事前に調べる必要がありました。現在は、住所さえ異なれば同じ会社名でも使用することが可能となりました。しかし、類似商号の規制が廃止されたとしても不正防止法の規定により既存の会社から損害賠償請求を起こされる可能性もあるので事前に調査しておく必要があります。

2. 本店所在地を決める

本店の所在地とは、会社の住所のことです。本店の所在地は会社の定款に記載しなければなりません。自宅や賃貸事務所以外にも最近ではレンタルオフィスやバーチャルオフィス、コワーキングスペースを本店所在地とする方も増えてきました。(※レンタルオフィスなどでは銀行口座の開設が出来ない所もございますので事前に確認することをオススメします。)

なお、定款上で本店所在地の決め方には2つの方法があります。

地番まで記載する

→本店を東京都新宿区●●1丁目1番1号に置く

 最小行政区画で記載する

→本店を東京都新宿区に置く
本店所在地を一度決めてしまった後で所在地を変更しようとすると定款や謄本の変更が必要になります。②であれば同一区域内(例えば新宿区1丁目から新宿区2丁目)の移転であれば定款変更の手続きは必要ありません。

※注意点
本店所在地を決める時には、自宅を賃貸にしている方や新規にオフィスを借りる方などは、法人として使用する旨を家主に伝えて必ず承諾を取りましょう。後で目的外の使用として契約を解除されてしまう可能性が出て来てしまいます。

3. 事業目的を決める

目的を決めます。

目的とは、会社の事業内容(=どうやって売上をあげる会社なのか)のことです。「飲食店の経営」「インターネットホームページの企画」など具体的な内容を定款に記載しなければなりません。なお、定款に記載した目的以外の事業は出来ません。ですから現在予定している事業以外に将来やってみたい事業があればそれも記載しておきましょう。

会社の目的を具体的に記載するにあたっては、「日本産業分類」を参考にしてみてください。こちらには、日本の全産業を大分類、中分類、小分類、細分類に分類しており、そのうち小分類や細分類は業種の内容が具体的に記載されているので目的を決めるのに参考になります。

許認可の必要な業種

業種の中には許認可が必要な業種があります。このように許認可を必要とする業種は「許認可業種」呼ばれます。
許認可が必要な主な業種をまとめてみましたので参考にしてみて下さい。

業種 受付窓口
飲食店 保健所
喫茶店
食料品販売業
食肉卸売業
乳処理業
乳製品製造業
魚介類販売業
宿泊業
美容院・理容院
クリーニング店
リサイクルショップ 警察署
中古自動車販売
風俗営業一般
深夜酒類提供飲食店
薬局 都道府県庁
在宅介護サービス
建設業
宅地建物取引業
旅館業
国内旅行代理店
海外旅行代理店 運輸局

4. 資本金の額を決める

資本金の額の検討

会社を設立する際には資本金の額を決める必要があります。現在の会社法では1円でも会社を設立することが可能となりましたが、実際に1円で会社を設立するのは現実的ではありません。なぜなら、資本金は会社の信用力を見る重要な指標です。また、会社を始める時には備品の購入や仕入代金などさまざまな初期費用がかかります。会社設立時の資本金は最低でも開業資金を払って半年位は運営できる資金を用意できれば理想的です。

※注意点
資本金が1000万円を超えると設立初年度から消費税が課税されることになります。設立初年度は通常は消費税が免除されるので1000万以下の資本金で検討してみて下さい。

現物出資

現物出資とは、不動産や自動車などの動産、パソコンなどの備品など金銭以外の資産で出資することをいいます。
例えば、個人事業でやられていた方が資本金1円で会社を設立した場合、これらの資産を社長が会社にお金を貸してまたその資産を購入することになります。このような場合は、現物出資することで面倒な手続きを踏まなくてもよくなります。なお、このときの資本金となる額は資産の時価で評価されることになります。

発行可能株式数

発行可能株式数とは会社が発行できる株式の上限数です。なお、株式譲渡制限会社でなければ、設立時に発行する株式数は発行可能株式数の4分の1を下回ることができません。増資など今後の資本政策などを検討しつつ株式数を決めてみて下さい。

5. 役員を決める

(1) 取締役の選任

会社の取締役とは、会社の経営について株主から委任された人です。会社法の施工前は株式会社の場合は取締役3名以上、監査役1名以上を設置しなければなりませんでした。現在は取締役が1名からでも設立することが可能となっています。

(2) 機関設計について

機関とは、取締役や監査役などをいい、これらの機関が会社の意思決定や業務執行を行うためのセクションを決めることをいいます。会社設立をしてまず検討するのが取締役会というセクションを設置するかどうかです。それぞれの違いは以下の通りです。

取締役会非設置会社 取締役設置会社
取締役の人数 1名以上 3名以上
代表取締役 取締役全員に代表権がある 取締役の中から1名以上
監査役、会計参与の設置 不要 必要

取締役会を設置するメリットは、会社の重要事項を決定するにあたり取締役会だけで決定することができるためスピーディーな経営を行うことができます。取締役会を設置しておらず特に複数の株主がいる場合は、重要な事項を決定するたびにわざわざ株主に集まってもらい株主総会を開かなければなりません。

ポイントとしては、株主イコール取締役という会社であれば取締役非設置会社で良いでしょうし、取締役や身内以外の株主がいる場合は、決定事項に対し反対してくる可能性もあるので取締役会を設置したほうが良いでしょう。

(3) 取締役の任期

取締役の任期は、原則2年ですが定款で定めた場合は最長で10年とすることができます。ポイントとしては、正当な理由がない限りは取締役の解任はできないのであまり長くすると解任したくても出来ないというデメリットがあります。反対に任期が短ければ、任期が来る都度取締役の選任など手間と手数料がかかってしまいます。

こちらも、身内などで会社を設立するのであれば長めの期間にして、知人などで会社を設立するのであれば2年とか3年とか短めの任期にすると良いでしょう。

 6.事業年度を決める

(1)事業年度とは

事業年度とは、会社の会計上での区切りの期間のことです。期間は1年以内であれば半年とか好きに決めることができますが、半年に1回決算を行うのは結構な手間ですので多くの会社は事業年を1年にしています。事業年度をいつからいつにするかは自由に決めることができます。国の会計年度や大企業に併せて4月から3月までを事業年度としている会社が多いですが、会社の事業年度を決める時は繁忙期や税金の節税等の面から決めるのが良いでしょう。

(2)事業年度の決め方

事業年度を決めるにあたっては以下の点をポイントにして下さい。

① 売上が多い月(繁忙期)を決算月にしない

例えば3月が繁忙期の会社の場合、決算月を3月にすると繁忙期ですから、通常の月より売上が多く上がります。売上が多くあがるので利益の変動も大きくなり利益予測が立てにくいことになります。利益の予測が立たなければ節税対策も立てづらくなります。

このような事態を回避するために繁忙期と決算月を離して事業年度を決めます。なお、繁忙期が3月なので期首を3月にするとデメリットもあります。決算日から2か月後の申告期限日までには「商品の棚卸」や「銀行残高証明書の取得」「売掛金や買掛金などの確認」「税金の納付」など決算業務が必要になります。決算業務で大事な繁忙期に本業に影響が出るのであれば申告月の後を期首にすると良いので、例えば3月が繁忙期の会社であれば12月を決算月にして2月までに申告して3月の繁忙期を迎えるというのも良いかと思います。繁忙期の業績が良かった場合は、決算まではそれなりの期間があるので十分に節税対策を立てることができます。また、期首に売上が多くあがれば、一年間の資金繰り予想も計画しやすくなります。さらに、法人税や消費税の納付期限は決算月から2か月後になるので納税対策も可能となります。これらのことを考えて決算月と繁忙期を同じ時期にすることは避けた方がよいことになります。

② 売上が多い月を決算月にする

①とは反対に、あえて繁忙期を決算月とする会社もあります。決算という1年の締めの月を繁忙期と重ねることで目標売上の達成や業績向上などを目指し会社全体の士気を高めることができます。

③ 消費税の免税期間を考えて事業年度を決める。

設立時の資本金が1,000万未満の会社は、消費税の支払いが最大で2事業年度免除されることになります。

なお、注意して頂きたいのは免税期間は「2事業年度」であって「2年」ではありません。

具体的には、例えば法人設立が2月10日の場合に、決算月を3月31日にしてしまうと1カ月ちょっとで第1期が終わってしまいます。設立第1期を数ヶ月で終わるような事業年度にしてしまうと免税期間が短くなり損をすることになります。このような場合は、決算月を来年の1月31日にして2月10日から1月31日を第1期にして出来るだけ1年に近い期間を設定することで消費税の免税期間を長くすることで有利にします。消費税を免税に出来るというのはすごくお得なことなのです。この免税期間を長くするためには設立月から最も離れた月を決算月にするのが良いことになります

7.印鑑を用意する

(1)会社の印鑑を作る

会社を設立するためには、会社の印鑑である法人印が必要になります。法人印には、「代表者印」「銀行印」「社印」「ゴム印」などが必要になります。この中でも「代表社印」は法務局に届け出をして登録の手続きが必要になります。

以下に用意して頂きたい印鑑の種類と用途をまとめました。

種類 用途
代表社印 法務局への登録が必要

会社の実印として重要な書類に押印するときに使用する。

銀行印 銀行口座の開設

小切手や手形の振り出しに使用

※代表社印で対応することも可能ですが、大切な実印を頻繁に持ち出すのはおすすめできません。

社印(角印) 請求書や領収書など代表印を押すほど重要な書類でないときに使用します。
ゴム印 契約書の署名欄など自筆の代わりに使用する印鑑です。

(2)個人の印鑑を作る

会社を設立するときは、発起人や役員になる人の実印が必要になります、実印とは市区町村の役所で登録をしたものです。設立時には書類に実印で押印し印鑑証明書を添付する必要があります。

印鑑登録は、住民登録している市区町村の役場で原則は本人が申請を行います。印鑑登録の際に準備して頂くものは「登録する印鑑」「本人確認書類(免許証やパスポートなど)」「登録費用(100円から300円程度)」となります。本人確認書類が免許証やパスポートなどの顔写真付きのものであれば原則その日に発行を受けることができます。

なお、印鑑証明書には有効期限があります。定款認証では6か月以内、設立登記は3ヵ月以内が有効期限です。また、印鑑証明書は株式会社であれば2通は必要になるので取得しておいて下さい。

8.設立費用を決める

(1)会社設立に必要な費用

会社を設立するには資本金とは別に以下の費用が必要になります。

  株式会社の場合 合同会社の場合
定款認証印紙代 40,000円 40,000円
定款認証手数料 52,000円 0円
登録免除税 150,000円 60,000円
※謄本・印鑑証明代(各2通) 2,100円 2,100円
合計 244,100円 102,100円

※会社の設立登記が完了した後、会社の謄本や印鑑証明書を取得します。実費費用として、謄本1通600円

印鑑証明書が450円かかります。

(2)自分で設立する場合と代行事務所に依頼する場合

会社の設立費用を考える際にご自身で設立の手続きをするのか代行事務所に依頼するのかを検討することになります。

検討するにあたっては以下のことをポイントにしてみて下さい。

①定款認証印紙代

定款には、印紙税法で4万円の印紙を貼らなければならないと決まっています。印紙を貼らなければならないのは紙で作成した定款になるので、電子公証制度を利用して電子定款を作成することで4万円の印紙を貼る必要がなくなります。ただし、電子定款を作成するには一定の設備が必要になり、この設備を揃えるのに4万円ほどかかってしまいます。この電子定款の作成代行業を行えるのは司法書士や行政書士などの有資格者です。

代行業をしている事務所であれば電子定款作成のための設備が揃っているので4万円の印紙代はかかりません。

定款作成を一から行っていくのはハードルの高い作業です。ご自身で作成するのと代行事務所に払う費用

(概ね5万から10万程度)に4万円の印紙代がかからなくなることを比較して検討してみてください。

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