農林漁業金融公庫と日本政策金融公庫の関係性
かつて存在した「農林漁業金融公庫」は、2008年以降は日本政策金融公庫という政府系金融機関に統合されました。
日本政策金融公庫は政府系の金融機関ですので、政府の運営方針に従って融資制度を準備しています。
特にアベノミクス以降、政府は農業を国の成長産業とすることを目指していますので、新規に農林水産事業を開始しようとする人などにとっては日本政策金融公庫は利用しやすい事業融資となっています。
ここでは農林水産事業を行っている人が利用できる日本政策金融公庫の融資制度について解説させていただきます。
農業が営んでいる人だけが利用できる融資制度
日本政策金融公庫では、農業を営む人やこれから就農しようとする人に対して「スーパーL資金」等の一般の事業者よりも有利な貸付条件を設けています。
スーパーL資金
スーパーL資金は、市町村長の認定を受けた認定農業者の方で、複式簿記による帳簿を作成している人が利用できる融資制度です。
融資金利としては一般の場合には0.10%、特例的に0%の無利息での貸付となるケースもあります。
ただし、貸付実行から5年間に限られます
資金の使い道としては農地取得や農産物生産のための機械設備の購入、人件費など幅広く使う事ができますが、事前に市町村長に対して提出している農業経営改善計画書に基づく資金使途であることが求められます。
なお、市町村長の認定を受けるためには農業経営改善計画書を市町村に対して提出する必要があります。
詳しくは市役所の担当窓口で相談してみると良いでしょう。
日本政策金融公庫の融資手続きの流れ
日本政策金融公庫融資の手続きは、まずは最寄りの支店への電話相談が最初のステップです。
電話相談の中で面談を行う日程とその時までに準備しておくべき必要書類を伝えられますので、漏れのないように準備をしましょう。
面談時までに必要になる書類は事業計画書と決算書類です。決算書類は直近数年分の確定申告書類を準備するとともに、直近数ヶ月の資金繰り表や試算表も準備しておくと良いでしょう。
事業計画書は将来的な事業の展望を財務的な数字をもとにプレゼンするための資料になりますが、将来のことだからといって何でも良いというわけではありません。
事業計画書は希望する融資金額が必要になることの根拠となるものですので、融資担当者も疑問点があれば容赦なくつっこみを入れてきます。
融資に落とされてしまわないためにしっかりと準備をしていくことが大切ですが、この事業計画書の作成を行っていく過程で将来的な事業の状況について経営者自身が客観視できるようになるというメリットもありますよ。
決算書類の準備や事業計画書の準備にあたっては担当してもらっている税理士さんに相談すると協力してもらえることが多いです。
日本政策金融公庫で融資を受けるときの心構え
日本政策金融公庫で融資を受ける際には、借りたお金を何に使うのか?という資金使途を明確にする事が大切です。
これは融資担当者に資金が必要である事をアピールするとともに、事業経営者自身も「本当にそのお金が必要なのか?」ということを客観的に考え直す機会を持つ意味もあります。
また、融資を受けられる金額として実際には融資限度額から判断するというよりも、「自己資金×2倍程度」という金額が設定されることが多いのも知っておきましょう。
日本政策金融公庫からお金を借りている人の多くが、自己資金として3割程度を用意しています。
まとめ
今回は、農林水産事業者の方が日本政策金融公庫を利用する際のチェックポイントについて解説させていただきました。
農業を成長産業とすることは国の政策として非常に重要視されていますので、それを反映して日本政策金融公庫の農林水産事業者向けの融資は非常に有利な条件となっているということができます。
これから農林水産事業を開始しようとしている方や、現在農林水産事業を営んでいて事業融資を受けることを検討している方は、こうした有利な日本政策金融公庫の融資制度を有効活用することを検討してみてくださいね。
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